このサイトでは、皆様の閲覧体験からサイトの改善を目指すことを目的としてCookieの使用に同意いただくことをお願いしております。
このサイトを継続して使用されることにより、Cookieの使用を受け入れて頂いたことになります。
詳しくは、私たちが設定している個人情報保護方針をご覧ください。
Close

FIB回路修正

材料分析

液中ナノ材料分析 K-kit

お申込みフォーム

ダウンロード

中古機械

MA-tek FTP

サステナビリティレポート 本文一括ダウンロード

AEC-Q006 2025版 主要変更点の完全解説

2025/12/29

はじめに

AEC-Q006は、車載電子部品評議会(Automotive Electronics Council, AEC)が策定した信頼性検証規格です。チップパッケージ接続材料として銅線(Copper wire)を使用する車載電子部品を対象としています。この規格の策定は、パッケージング技術において従来の金線(Gold wire)が徐々に銅線に置き換わるというトレンドに端を発しています。

 

銅線は低コスト、高導電性、優れた機械的強度といった利点を持つため、パッケージング技術の進歩に伴い、製品競争力を高めるために銅線を採用する自動車部品メーカーが増えています。しかしながら、銅線は金線とは物理的・化学的性質が大きく異なり、特に、高温、高湿、高出力といった厳しい車載環境下では、酸化・腐食・接続信頼性の低下といった問題が生じやすいという課題があります。

 

これらの技術的課題に対応するため、AECは2025年にAEC-Q006 Rev-Bを発表しました。この規格では、銅線の特性に合わせて試験項目・検証条件を拡充し、さらにパッケージ材料、接合品質、長期信頼性などの検証方法もより厳密に規定されています。その目的は車載電子分野における銅線接続技術の安全性と安定性を確保することにあります。

 

 

2025年版の5つの主要ポイント

 

1. 材料および接合技術の定義強化

「銅線接続」の技術範囲が明確に定義され、裸銅、めっき銅(錫めっきや銀めっきなど)、銅合金などのさまざまな形態が含まれます。金線と比較して、銅線は酸化および界面信頼性に関して追加の考慮が必要になります。

 

2. 信頼性試験要件の強化

信頼性試験条件がさらに厳格化されました。たとえば、高温保存寿命(HTSL)試験では、グレード0部品の試験温度が175℃に引き上げられました。温度サイクル(TC)試験では、銅とパッケージ材料の熱膨張係数の差を重視し、より厳格なサイクル数と温度範囲が求められます。温湿度バイアス試験(HAST/THB/H3TRB)では、Cu/Al接合部の腐食に対する加速試験などが実施されます。

 

ワイヤボンディング(wire bonding)のボールステッチ/ウェッジプル(Ball + Stitch/Wedge pull)、ボールシェア(Ball shear)、断面観察(Cross-section)などの要件がさらに厳格化されました。例えば、ボール+ステッチ/ウェッジプル試験およびボールシェア試験では、要件が明確に規定され、試験後の破断面の検査は不要となり、従来の試験方法ではカバーされていなかった規格の空白が補完されました。一方、断面検査(Cross-section Inspection)では、はんだ接合部内の金属間化合物(IMC)の分布、亀裂の発生、および腐食の分析が必要となりました。

 

 

図1 AEC-Q006 Rev. B 検証項目

 

 

3. データ提出および検証プロセス

はんだ接合部試験前後の完全な引張力/せん断力データ(平均値、標準偏差、T0限界値)、AM画像、および断面解析が必要です。既に量産中で銅線故障の履歴がないサプライヤーは再検証の対象外ですが、その証拠(例:年間出荷台数50万台超)を提出する必要があります。

 

 

4. 故障モードとリスク分類

銅線接合部における一般的な故障モードの分類が追加されました。例えば、銅の酸化によるボンド剥離(bond lift)、銅とアルミニウムの界面の脆化、銅線のネッキング(necking)や疲労破壊(fatigue failure)などです。剥離の許容基準も明確に定義されており、Cモード超音波顕微鏡(C-mode Acoustic Microscopy)を用いたスキャンが必須です。剥離基準は、MSL後など、様々な段階ごとに提供されています。

 

 

5. 他の規格との互換性

AEC-Q100、Q101、Q102などの規格との相互参照により、整合性が確保されています。JESD22-B116(せん断試験)は、Cuボールボンド(Cu ball bonds)に対応するように拡張されました。新たに追加されたJESD22-B120文書では、ボールプル(ball pull)、ステッチプル、(stitch pull)、リバースボンド(reverse bond)、などを含むCuワイヤ(Cu wire)の引張試験方法が具体的に定義されています。

 

 

なぜこれらの修正が重要なのでしょう?

  1. 銅線の使用が主流化:低コストで高い導電性を備えていますが、信頼性の面で大きな課題があります。
  2. 車載エレクトロニクスに求められる高い信頼性:AEC-Q006の改訂により、銅線部品が過酷な環境下でも安定して動作することが保証されます。

 

 

自動車電子産業への影響 

 

役割

影響

 

IC設計/パッケージング

Cuワイヤボンディングの工程と試験プロセスの更新が必要

車載モジュールサプライヤー

より高い信頼性を得られるパッケージ部品を入手可能

品質/信頼性エンジニア

JESD22-B120試験方法およびAEC-Q006 Rev-B要求事項に関する知識が必要

EMS/OEM

CSAM、せん断/引張試験機、データ分析プロセスの導入が必要

 

 

おわりに

2025年版AEC-Q006は、封止に用いられる多様な銅線および複合材料へ対応するため、検証項目やワイヤボンディング信頼性の分析手法を大幅に詳細化しました。このトレンドに対応するため、MA-tekは信頼性から故障解析まで、包括的な統合検証分析サービスを提供し、お客様がAEC-Q006銅線検証をより完全かつ迅速に実施できるよう支援します。